いわゆる、すべり止め。

SAPIX主催の学校説明会も中盤を過ぎた頃でしょうか。いくつかの説明会に顔を出して、改めて自分の時代とは質量ともに全く異なる、本当に羨ましい教育環境にあるなあと嘆息しました。もちろん、受かればの話ですが。

 

上方射程距離圏の学校の説明会に力が入るのは当然ですが、さて問題は下です。いわゆるすべり止めです。これは本当に悩ましい。

 

普通に受ければ受かりそうな水準で、本人が「ここだったら」と納得できる学校で、でも事前にあんまりにも納得しすぎてしまうと逆に「ここで全然いいじゃん」と安心してチャレンジ精神を失ってしまう。この辺りの舵取りが非常に難しい。

 

「この学校はとってもいいと思う。もし他が全部ダメだったとしても、ここならこれもあってそれもあって、あなたの力を今後充分伸ばしてくれるいい学校だと思う。でも、あっちの学校の方がもっといいよね…なぜなら(以下略)」

 

なんとまどろっこしい。

 

しかし、第一志望第二志望が受からなかった時こそのすべり止めなのだ。残念な気持ちの中でも、それでもここだったら楽しく有意義に過ごせるだろうと思えなければ、到底6年間も通いきれないでしょう。

 

知人のお子さんで、志望校はダメだった、すべり止めは受かったのだけれど、でもやはり納得がいかなくて地元公立に通うことにしたという方がいます。それってすべり止めって言わないでしょ、なんてコトは言えません。。ちなみにそのお子さんは中学入学後、間髪入れずに塾に通っています。受験前にはSAPIXを筆頭に塾に4つくらい(!!)通っていたという話もあっただけに、納得いかなかったのは親御さんなのではと思うのですが、とてもそんなコトは訊ねられません。

 

また別の男子で、SAPIXでただ1度を除いて3年間全てαで通した子がいます。私立トップのK、国立2番手のTFをそれぞれ第一、第二にしており、どちらもどのテストでも80%合格圏内に居たにもかかわらず、本番で一体何をしくじったか不合格で、まさかの2月5日のH校でやっと合格を取ったという。。

 

自信満々だっただけに、相当ショックだったらしい。自分より「下」だと思って散々バカにしていた子たちが、番狂わせで結局自分より「上」に行くことになり、意趣返し的な意地悪を卒業まで言われたりしていて、本当に気の毒でした。その子のそれまでの言行にはちょっとどうかと感じるものがあったものの、今頃どんな気持ちで中学に通っているのかと思うといたたまれない。うまく気持ちを前向きに切り替えていればいいのですが。

 

もちろん第一第二に受かれば何の問題もないのですが、これもあれもダメだったという時に、この学校であれば胸を張って通えて教育内容にも納得できる学校を選んでおくというのは、第一志望校を決めるよりもある意味重要なことで、慎重に、丁寧に選んだ方がいいと、つくづく感じる次第です。

 

で、頭に戻るわけですが、本人が途中で面倒になって、「もうここでいいじゃん!」的な敵前逃亡やけっぱち状態にならぬよう、これはこれで押さえつつさらに「上位校」を目指すよう、親はうま〜く子のやる気をコントロールする必要があると思うのです。なんとご苦労なことよ。。

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広尾学園の急伸に驚く

前期保護者会資料に含まれていたサピックス2018年度用偏差値一覧を何気なく眺めていてビックリしました。

今春(2017年度)晴れて中学生となった長男は、広尾学園を滑り止めにしていました。近年、急激に受験者数と偏差値をともに伸ばしているとは認識していましたが、この広尾学園の位置が全く変わっているのです。もちろん上振れしているのです。

先にサピックスの偏差値表について注釈しておきますと、9月から12月にかけて全4回行われる「合格力判定サピックスオープン」の平均偏差値をもとに算出し(偏差値は合格可能性80%ライン)、来年度の動向を予測したものです。

 

 2017年度用→2018年度用

本科1回目(2/1午前) 47→53
本科2回目(2/1午後)51→57
医進・サイエンス(2/2午後)54→56
本科3回目(2/5)48→55

 

2回目の57という値は、同日午前に試験がある武蔵、早稲田と同列です。3回目は同日に行われる本郷3回目と同じです。これを大躍進と言わずしてなんと言いましょう。

 

確か6年生の夏休み明けに行われた面談で志望校の相談をしたのですが、その際、担当の先生にお訊ねしました。息子も体験授業などに参加して面白かったらしいし、カリキュラムもユニークだ、ここであれば、たとえ第一・第二志望に落ちたとしても、そうがっかりすることなく通える良い学校だと本人も納得している、ただ急激に人気が高まっているように感じるので、実際に受験する段になって合格ラインがこの偏差値表からぐっと上がってしまうようなことはないのかと。

先生の答えは、こうでした。


確かに人気も偏差値もここ数年で急に上がってきているけれども、我々はここで頭打ちになると思っています。なぜなら、校風がよく似ていて地理的にも近い渋渋があるので、今の偏差値以上で狙うような子は渋渋に流れますよ。


…せんせーい! 流れてないですよー。。


サピックスオープンで広尾を選択肢に入れた受験生が実際にも受験したかどうか分かりませんし、結果としての入学者のレベルがどこに落ち着いたのかも分かりませんけれど、いずれにせよ入学していたかもしれない身としては、この数字はヒヤヒヤものです。実は滑り止めでもなんでもなくって、ギリギリだったんでは?


保護者会の度に偏差値表はあくまでも参考程度です、お母さんたちお父さんたち気にしすぎないでくださいときつくきつく戒めるサピックスではありますが、これだけ変化するとさすがに動向が気になります。結局兄キは別の学校に行くことになりましたが、娘も受ける気満々でいることですし! 

 

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春期講習、打上げ花見

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新5年生の春期講習が終わりました。


たった5日間ですが、通常授業、3月度復習テストが直前にあったので、なんだか1週間以上ダラダラ続いていたような気分です。

最終日に復習テストの答案が返ってきました。どうも算数がふるいません。先生から、今回の算数は難しくなかったので満点を取って欲しかったこと、そして実際に満点続出だったことなどを聞かされ、自分の点数を見てがっかりしてしまったようです。

がっかりするだけでは次回できるようにはなりませんので、原因を訊ねると、途中で残り時間を気にして面倒そうな問題をすっ飛ばしたところ、結局、あっちもこっちも得点できなかったとのこと。落ち着いた状態で解かせたところ、解答を見なければ分からなかったのは1問だけで、残りは悩む間もなくさっさと完答。

算数は苦手という呪文に自らかかってしまっていたようです。
 

とりあえず理社国は明日以降でいいよ、満開の桜の下、家族全員でお疲れさま会。歯が立たないと思っていたものが意外に簡単に解けたことに気を良くしています。空も抜けるように青い。自分が思っているほど苦手じゃないんだよね、と魔法を解く。

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受験ってそんなに辛いものですかね。

2017年度の入試分析会。

 

「大変長く苦しい戦いでしたが、親子で乗り切りました」「辛い思いを共有したことで、親子の絆が深まりました」

 

合格をもぎ取った直後に綴られたであろう手記は臨場感に溢れています。これから受験に挑もうとしている親御さんを煽るには充分すぎるくらいに効くでしょう。みなさん顔がこわばってますよー。講演者はここから励ましモードに入り、それから本論である出願傾向と出題分析に移ります。

 

さて、質問。

 

受験は辛いものでしょうか? 勉強はつまらなく、嫌なもので、できればしたくない・させたくないものですか? タイヘンなことは先に済ませておいた方がいいから中学受験するのですか?

 

小学生の子供はまだ素直です。親が「勉強は辛いものだ」というスタンスであれば、子供もそう思い、自分は嫌なことをさせられていると不平不満を感じても仕方ないと思います。そしてその先、中学進学しても大学に行っても働くようになっても、よほどの幸運に巡りあわない限り、勉強ギライが続くのです。

 

10歳11歳で本当の意味で「学ぶ喜び」といったものが体感できるかどうかはかなり無理な話かもしれませんが、少なくとも、この問題おっもしろいこときいてくるねー、くらいな心の余裕を親子ともに持ちたいものですね。

 

ま、そんなうまくいくかどうかは、さておき。です。

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