いちばんじゃ、ダメですか?

先日、子供の同級生のママ友とお話をしていた時のこと。

 

SAPIXの先生から聞いたんだけど、本当に勉強のできる子って、例えばサピの算数のテストで95点を取って、答案受け取った瞬間に、5点取りこぼしたってシクシク泣き出しちゃうんだって。すごいねー、『あと5点』をミスした自分が許せないんだねえ、そんな秀才くんがゴロゴロいるのかと思ってビビったけど、さすがにそんな子は全国でも数人だって言ってた…。

 

私は、世の中には頭のいい子って筋金入っているんだねえ、とただ単に感心する話題として、そのママとおしゃべりしていたのだけれど、彼女の反応は、

 

「うーん、そこまで点数にこだわるのってどうなんだろうねえ。大人になって、点数だけにこだわるような人になってもねえ…」

 

 というものでした。

 

私は少々、驚きました。

 

例えばこれが、テストの点数ではなく、水泳競技のタイムの話だったらどうでしょう。

 

都大会で優勝し、関東大会では惜しくも2位だったけど来月の全国大会への出場が決まった、ジュニア選手として将来有望な小学生、だとしたらどうでしょう。

 

毎日寝るのと学校にいる以外の時間はプールの中で過ごし、コンマ1秒どころか0.01秒のタイムを削るのに、生活のほとんどすべてを費やしている姿を見て、「タイムだけにこだわってもねえ…」などとは絶対、言わないでしょう。むしろ、送り迎えや栄養管理、体調管理を担っているお母さんに「張り合いがあるね、オリンピック目指して、次の全国大会も頑張れ!」くらいなことを言ってその親子を励ますと思います。

 

 なぜ水泳のタイムの追求なら褒められて、テストの点数の追求だと人格を疑問視されるのでしょう。

  

子供にとっては、どちらもたまたま得意なことが、フェアな数値で、他人と、あるいは過去の自分と競うことができるだけであって、今、目の前にあるタイムなり点数なり順位なり、この数値をより良くしたい、順位を上げたいという一心でやっているだけなのではないかと思います。勉強に打ち込んでいる=つまらない人物という思い込みこそツマラナイ。

 
もちろん勉強はできるけれど視野が狭く思いやりの欠けた人は世の中にいると思います。でもそれはオリンピックに出場するような世界トップの水泳選手の中にもドーピングをするようなクソ選手がいるのと同じで、どの世界の一流にも、人格者もいればクソ人間もいるということではないでしょうか。

 

「あと5点」にキリキリと歯嚙みして喰らい付くような子について、私はそのガッツをたくましく思います。将来、何かを成し遂げたいと思った時に、ガッツの発揮の仕方を知っているのは多いに役立つでしょう。ここは素直にその親子を応援したいと思います(と、ひとごとのように言うのは、ウチの子の点数は全く凡庸だからです・笑)。


余談ですが、冒頭のくだんのママ友は、西の最高学府を出て、民間企業でキャリアを大構築されており、政府のナントカ諮問会議みたいな委員も歴任しておられる、タイヘン優秀で尊敬すべき人物であります。

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