ふたりなら、できる。

大掃除の季節だ。ご機嫌な中学坊主と一緒に、窓拭きとベランダの水洗いをした。中学坊主の機嫌が良いのは、期末試験の成績が以前に比べ、大幅に改善したためだ。サンタクロースもこっそり奮発している。

 

1学期はさんざんだった。国語と数学Aで、栄えある選抜メンバーとなった。

 

この話を聞いて妹は目を丸くした。「え? それ何の選抜メンバー? なんか大会に出るの?」

 

国語が得意な小5の妹はリアルタイムで同じ試験を受けて兄貴に勝つつもりでいる。これは妹がデキるという話ではなく、兄貴がそれほどヒドいという話だ。よりによってその兄貴が「選抜メンバー専用 国語特訓テキスト」(そう表紙に印刷されている)でもって、夏休みに特別講習を受けるという。

 

お気づきだと思うが、「選抜メンバー」は、国語教師のユーモアである。赤点を取っただけである。

 

甲斐あって2学期はおしなべて平均以上だった。本人は上機嫌だ。「ヒマだから窓拭きでもしよっか」。

 

サンタクロースは多くを望まない。本心では、あんたヒマじゃないでしょう、期末試験の答案見直しをするとか、山のように出ている冬休みの課題にさっさと手をつけるとか、年明けの全員必須の英検対策をするとか、3学期の社会科のレポートのネタ探しをするとか、いろいろ言いたいところだが、黙ってここは申し出を受ける。なにしろ掃除・片付けはヘタクソなサンタなのだ。窓拭きを最後にしたのは去年の年末だ。いや待て、本当にしたっけ? ベランダには街路樹のいちょうの葉が降り積もっていて、やろうと思えばサツマイモくらい焼ける。

 

ふたりですれば、窓拭きも大掛かりなベランダ水洗いも数時間で終わる。これがひとりならば、まず腰が上がらない。やった方が気持ちいいのは分かりきっているが、まとまった時間が取れないとかなんとか理由をつけてなかなか手をつけない。毎日の小さな掃除も、なんやかや先延ばしにして、見ないようにしている。

 

受験勉強もそんなものではなかろうか。

 

どんなに受験勉強にやりがいを持っている子であっても365日、そのテンションを保つのは難しいだろうし、そうでもない子(が大半だと思う)がひとりで毎日コツコツ家庭学習に取り組むのは、かなりハードルが高いことだと思う。どうしたってやる気の出ない時があるだろう。

 

くだんの中学坊主も気分に波があって、そりゃ自分の高校3年間における大学受験勉強を振り返ってもそうだったのだから、まして11歳の子供(彼は3月生まれ)ならなおさら波があって当然だと思って、気分が乗らない時には放っておいた。とはいえ、成績は正直に落下する。そろそろヤバい、もうヤバイという時には、テキストを見た。解いたというよりは、見た(笑)。見ていると、じきに本人が隣にやってきて解き始める。

 

彼は今、私に同じことをしてくれている。全く気が進まなかったんだけど、しゃーない、やるか!

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